昔はほとんどの家に1基あった仏壇も、核家族化や少子化が進む中で少しずつ減少傾向にあるといわれています。

とはいえ、「家の中に故人とつながる場所がほしい」という供養の心が失われたわけではなく、現代のライフスタイルに合った、小規模な仏壇やモダンな仏壇を求める人も少なくありません。

一度購入すれば長い付き合いになる仏壇は、どう選ぶのが正解なのでしょうか。

仏壇は家族にとって、心のよりどころ

仏壇は、本質的には「仏様(ご本尊様)を祀る場所」です。

現在では、仏様に手を合わせるという宗教的な役割は薄れ、「グリーフケア」(身近な人との死別を経験し、悲嘆している人を支援すること)の意味合いが強くなってきました。

家族の縁が薄れていく中、仏壇にご飯やお菓子などを供えて手を合わせる親の姿を見ることで、子供に信仰心や慈愛の心を養ってもらいたいという、教育上の観点から購入される方もいます。

仏壇は故人を祀り供養するというより、生きている人の「心のよりどころ」として存在しているといえるでしょう。

仏壇選びのポイントは「信仰重視型」か「生活重視型」か

仏壇には、大きく2種類に分けられます。ひとつは、内部に金箔を施した金仏壇や木目を生かした唐木仏壇などの「伝統型仏壇」。もうひとつは、現代のインテリアに溶け込む「家具調仏壇(モダン仏壇)」です。

伝統型仏壇は宗旨・宗派によって形状や仕様が異なりますので、信仰を重視する家庭に多く選ばれています。

一方、家具調仏壇は、宗旨・宗派を問わず自由に好きな物を選んで構いません。仏壇を置く場所の大きさや広さ、ほかの家具との調和などを考えた上で、家族の感性に合うものを購入します。

いずれにせよ、仏壇は1度購入したら何度も買い替えることはなく、長く大切にしていく物です。

経年劣化で金箔がはがれたり、扉が傷んだりしたときに備えて、アフターフォローがしっかりしている仏壇店で購入することが重要です。

以下に、仏壇店のチェックポイントを挙げておきます。

1. 店内がきれい

掃除が行き届いて清潔な仏壇店は、販売している仏壇にも愛着を持って丁寧に取り扱っています。最初に店内に入ったときの感覚を大切に、数軒の仏壇店を回ってみることをおすすめします。

2. 店員の知識が豊富

店員の知識が豊富で的確なアドバイスをしてくれるかどうかも見極めのポイントです。宗旨・宗派による仏具の違いなど、疑問点はどんどん質問しましょう。

3. 大幅な値引きに注意

仏壇の価格は、仏壇店が自由に設定することができます。目玉商品や売れ残り、倒産品など、値引きの理由が明らかでない場合は、適正価格よりもかなり高い価格を設定した上で「値引き」の表示をしているケースもないとはいえません。「なぜ安いのか」を必ず確認することが大切です。

仏壇は不幸があってから購入する物ではなく、ひとつの家族として独立する際には必ず必要な物と考えられてきましたが、今は必要に迫られてから購入する家庭がほとんどです。

自宅に仏壇がない場合は、四十九日の法要までに購入しておくといいでしょう。

仏壇を購入したら、できるだけ作法に則ってお勤めを

お香、お花、燈明、ご飯、お水の5つは「五供」と呼ばれ、基本的なお供え物とされています。毎朝扉を開けて掃除をし、五供をお供えして礼拝をしましょう。購入して飾るだけでなく、毎日のお勤めをしてこそ仏壇の意味があります。

仏具は、まずは宗旨・宗派を問わない「花立」「香炉」「ろうそく」の3点をそろえておけば、問題なくお勤めができます。

なお、不要になった仏壇を譲渡したり解体したりすることに、特別な制約はありません。仏壇そのものはご本尊や位牌を祀るための家具のひとつですから、自分なりに納得できる方法で処分するようにしましょう。

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