お布施は葬儀や法要のときにあげる読経や、いただいた戒名(かいみょう)などに対して僧侶に渡すお礼のことです。

お布施の金額については、はっきりした決まりがなく、渡す側の「常識」で判断しなければならないことが多いので、喪家にとっては悩みどころです。

お布施はいくら位お包みして、どのようなタイミングで渡せば失礼にならないのか、知っておきたいお布施や戒名の知識について解説します。

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お布施とは:ご本尊へのお礼

僧侶に読経をあげてもらったお礼として渡すお布施。そもそもは金品を施すことによって現世の「モノ」への執着を捨てる修行のひとつであり、僧侶を通してご本尊に捧げるものです。

僧侶にお布施の金額を聞いても、「お気持ちでけっこうです」と言われてしまうのはそのためです。

読経や戒名の「対価」でない以上、故人に対する思いを込めた精一杯の金額を包めばいいということになります。

喪家の経済的な事情に合わせて、無理のない金額を用意すれば良いのです。

一般的な葬儀で渡すお布施の相場は44万円

そうは言っても、お布施の額の見当がまったくつかず、頭が痛いという方も多いのではないでしょうか。

常識的な額に比べてあまりに多すぎても問題ですし、少なすぎれば恥をかくのではないかと気になります。

地域や寺院による違いもあるので、どうしても不安なときは僧侶に意向を聞いてみましょう。

ここでは、葬儀における平均的なお布施の金額を紹介します。

寺院への費用:44万6,000円
日本消費者協会「第10回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」(2014年)

寺院への費用は、「読経料」「戒名のお礼」「御車料(僧侶の交通費)」「御膳料(僧侶の食事代)」が含まれ、地域性や寺院とのつながりの深さ、宗派によって金額に差があるほか、戒名の格付けによっても大きく違ってきます。

戒名の格付けと相場について

戒名(かいみょう)は、仏教に帰依(きえ)した者に与えられる、仏の弟子としての名前です。

「戒名」と呼ぶのは天台宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗、浄土宗。浄土真宗は「法名」、日蓮宗は「法号」と呼びます。

本来、戒名は生前に授かるものですが、現在では亡くなってから葬儀までの間に、菩提寺の僧侶につけていただくのが一般的です。

菩提寺が遠方で葬儀を頼めない場合でも、戒名だけは菩提寺に依頼します。ほかの寺院の僧侶に戒名をつけてもらうと、菩提寺への納骨の際にトラブルになることがあります。

菩提寺を持たない方が亡くなった場合は、僧侶が故人の生前の様子や人柄、どんな職業だったかを家族に尋ねて、戒名つけることが多いようです。

また、俗名で葬儀をした場合も、寺院の境内墓地に納骨するには戒名が必要です。納骨の際には、寺院の僧侶から戒名をつけていただくことになります。

戒名の格付け|選択の仕方・注意点

一般的に戒名は「院号」「道号」「法号」「位号」から成り立っており、宗派による特徴もあります。
浄土宗は「誉」、真言宗は梵字、日蓮宗は「日」「妙」、浄土真宗では男性に「釋」が、女性に「釋尼」がつきます。

基本的に文字数が多いほど位が高いとされ、中でも「院号」のついた戒名は、寺院へ大きく貢献した人に与えられる最上位の称号です。

但し、先祖と同じお墓に入るときは、先祖より高い称号の戒名はつけられません。
また、夫婦で同じお墓に入るときは、二人の戒名の格付けを揃えるのが普通です。

戒名の格付けによる金額の相場

戒名に対する金額の目安は次の通りです。

一般的な「信士・信女」といった戒名:5万円ほど
高位となる「院居士・院大姉」などの戒名:40万円以上

相場と比較して、あまりにも高額なお礼を要求された場合は、つけられた戒名の位にふさわしい金額かどうかを確認するとともに、葬儀社に相談することをおすすめします。

お布施の渡し方

お布施には決まり事がないだけに、悩みは尽きません。
特に初めての葬儀や法要などでは、「僧侶に失礼のないように」と気を張って、偲ぶどころではないという心持ちになりかねません。

故人の冥福を祈るという本来の目的を大切にするためにも、基本的なマナーは事前に押さえておきたいところです。

お布施の包み方

市販のお布施袋や白い封筒に入れて渡します。
お札はなるべく新札を使い、向きを揃えて入れるといいでしょう。

お布施は感謝の気持ちを表わすものですから、水引のかかった不祝儀袋に入れるのは間違いです。

お布施の表書き

表書きは薄墨ではなく、普通の黒墨で「お布施」と書くか、空白のままにしておきましょう。

葬儀の時は表書きに「△△家」又は「△△(苗字)」と書きますが、法要の時は「施主のフルネーム」を書くのが一般的です。

裏面には住所、氏名、電話番号、金額を記載します。
数字は漢数字の「壱」「弐」「参」「四」「伍」「六」「七」「八」「九」「拾」「百」「阡」「萬」。単位は「圓」を使いましょう。

お布施以外に、交通費であるお車代や、宴席代であるお膳料を渡す場合は、それぞれ別の白い封筒に包み、表書きに「御車料」「御膳料」と書いて、お布施と一緒に渡します。

お布施を渡すタイミング・渡し方

葬儀社に支払う葬儀費用と違って、お布施は直接僧侶に渡すものです。それだけに、渡し方やタイミングも気になるのではないでしょうか。

お布施は基本的には葬儀や法要が始まる前に、喪主が僧侶に挨拶をする際に渡すことが多いようです。

慌ただしくて時間が取れないときは、葬儀や法要のあと、お礼の挨拶を兼ねて渡すこともあります。

また、お布施は手渡ししないことがマナーとされています。

お盆に置いて渡すのが正式とされていますが、お布施を包んでおいた袱紗(ふくさ)を開いて、袱紗の上にのせるようにして渡しても構いません。

法要で読経をお願いした場合のお布施の相場は3万~10万円

四十九日や一周忌、三回忌といった重要な法要では、家族だけでなく親族や友人も集まって故人を偲び、僧侶にお経をあげてもらいます。

菩提寺とお付き合いがある場合は、菩提寺の本堂で行うことが多いのですが、自宅や葬儀会場で行ってもかまいません。

法要のお布施の相場は3万~10万円とされていますが、お寺の本堂以外に僧侶を呼んだ場合は、お車代として交通費も包みます。

法要のあとの食事に僧侶が同席しないときは、葬儀のときと同じく、お膳料の用意も必要です。

わからないことは葬儀社に相談するのが一番の近道

お布施の金額の目安や渡すタイミング、戒名について知りたいときは、葬儀社のスタッフや、葬儀社が24時間365日対応している無料相談ダイヤルに連絡すれば、宗派や地域の習慣なども考慮しながら、わかりやすく教えてくれます。

葬儀社のスタッフは葬儀の進行だけでなく、葬儀の準備段階から終了まで喪主と遺族をサポートします。少しでも疑問や不安があるときは、気兼ねなく尋ねてみましょう。

アフターサポートのある葬儀社を選ぶと安心

葬儀や法要のお布施以外にも、葬儀後にやるべきことはたくさんあります。

首都圏の葬儀に関する情報を発信するエンディングデータバンクが行った調査によれば、喪主を経験した方の7割以上が、「一番大変だったのは、葬儀後の各種手続きだった」と回答しています。

こうした遺族をサポートするために、専門の相談員が無料で、回数の制限なくアフターサポートをしてくれる葬儀社もあります。

葬儀社を選ぶとき、費用や会館については調べても、アフターサポートについて確認する人は、まだまだ少ないようです。

葬儀社選びのポイントのひとつに、しっかりしたアフターサポートがあるかどうかを加えておくと安心です。

葬儀後のお手続きの相談はお葬式のむすびすへ
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まとめ|お布施の相場や渡し方ついては、葬儀社に相談することで解決

お布施の相場や渡し方のマナー、戒名について、ご理解いただけたでしょうか。

  • お布施は、葬儀や法要のときにあげる読経や戒名などに対して僧侶に渡すお礼。
  • お布施の金額に決まりはなく、喪家の経済的な事情に合わせて、無理のない範囲で用意すれば良い。
  • 戒名(法名、法号)は、仏教に帰依した者に与えられる、仏弟子としての名前。
  • 菩提寺のある人は、菩提寺が遠方で葬儀を頼めない場合でも、戒名だけは菩提寺に依頼する。
  • 基本的に文字数が多いほど位が高いとされ、「院号」のついた戒名は最上位の称号とされている。
  • 先祖と同じお墓に入る場合は、先祖より高い称号の戒名はつけられない
  • 夫婦で同じお墓に入るときは、二人の戒名の格付けを揃えるのが一般的。
  • お布施以外に交通費や宴席代を渡すときは、それぞれ別の白い封筒に包み、表書きは「御車料」「御膳料」として、お布施と一緒に渡す。
  • お布施は基本的には葬儀や法要が始まる前、僧侶に挨拶をする際に渡すのが一般的。
  • 四十九日や一周忌、三回忌といった法要の相場は3万~10万円。
  • お布施の金額の目安や渡すタイミング、戒名について知りたいときは、葬儀社のスタッフに相談するのが一番の近道。
  • 葬儀や法要のお布施をはじめ、葬儀後の様々な手続きまで、しっかりアフターフォローしてくれる葬儀社を選んでおくと安心。

よくある質問

  • お布施の金額はいくらですか?

    菩提寺様がある場合は、菩提寺様に直接お尋ねください。
    「お気持ちで」という回答があったら、同じ菩提寺様とお付き合いのあるご親戚などにご相談しましょう。それでもわからない場合や相談できる方がいないときは、葬儀社に相談しましょう。
    お葬式のむすびすで僧侶を手配した場合のお布施はこちら

  • お布施を渡すタイミングはいつですか?

    基本的には葬儀や法要が始まる前に、喪主が僧侶に挨拶をする際に渡すことが多いようです。
    慌ただしくて時間が取れないときは、葬儀や法要のあと、お礼の挨拶を兼ねて渡すこともあります。
    また、お布施は手渡ししないことがマナーとされています。
    お盆に置いて渡すのが正式とされていますが、お布施を包んでおいた袱紗(ふくさ)を開いて、袱紗の上にのせるようにして渡しても構いません。

  • お布施とお戒名料は違うのですか?

    お布施とは、お戒名を付けていただいたこと、お経を読んでいいただいたことへのお礼としてお渡しするものです。お戒名料はお布施に含まれているものとお考えください。お布施の金額は、菩提寺様によって違いがございます。

  • 宗派が分からない時は、どうすればいいですか?

    まずはご親族にお尋ねいただくとよいでしょう。調べる方法はふたつあります。ひとつは、ご自宅もしくはご親族のお宅にあるお仏壇のご本尊と掛け軸から調べる方法です。もうひとつは、ご先祖様のご位牌に記されている戒名・法号から宗派を調べる方法です。わからない場合は葬儀社にご本尊や掛け軸の特徴や戒名の法号から宗派を特定することが出来ます。

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