終活でやるべきことのひとつに、「遺書として自分の意思を残す」という大切な仕事があります。遺書は形式にこだわらず、思いの丈を綴るものです。書くことで自分自身の気持ちが整理されるのはもちろんですが、終末期医療や葬儀などについて考えを明確にしておけば、あとに残る大切な人たちの手引きにもなります。

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遺書には決まった書式はない

そもそも「遺書」は、公的な文書ではなく私的な文書に分類されるもので、法的な効力はありません。したがって定められた書式もなく、自由に心情を書き連ねることができます。これまでお世話になった方や家族、友人など、誰に向けて何通書いても構いません。

近年は、緊急連絡先や保険のことなどをわかりやすく記入できる「エンディングノート」という形式も人気です。「遺書」は「エンディングノート」に比べて、より手紙に近いと解釈するとわかりやすいでしょう。

遺書と遺言書との違いは法的な効力があるかどうか

「遺書」と「遺言書」は、広い意味で残された方へのメッセージを伝える点では同じですが、実際の役割はまったく異なります。最大の違いは、遺書には法的効力がなく遺言書にはあるということです。

そのため、「自筆証書遺言」や「公正証書遺言」「秘密証書遺言」のいずれの遺言書も、書き方や取り扱い方法、効力の範囲などが民法で厳しく定められています。財産をどのように配分するかという争いのもとになりやすい部分に言及しますので、日付・氏名・捺印の漏れはもちろん、ルールに則っていない部分が少しでもあれば効力を失ってしまいかねない文書です。

このことから、おもに財産の配分などについて記すことが多い遺言書は、遠い将来の死を想定して書くものであり、伝えたいことを思うがままに書き記す遺書は、死を間近に感じた方が書くものという分け方もできるでしょう。

なお、遺言書は以下の3種類があります。

・自筆証書遺言:全文を自分で書いた遺言書
・公正証書遺言:遺言者の口述を公証人が筆記する遺言書
・秘密証書遺言:遺言の内容を記した書面に署名押印して封をした上で、公証人が遺言者の申述を記載する遺言書

遺書は封筒に入れて分かりやすい場所に保存を

前述したように、遺書は自分の気持ちを伝えるために書くものであり、堅苦しい決まりはありません。

遺書を受け取った方に法的な制約を課すこともないので、死を前に思うことやこれまでの人生の回顧、伝えたいと思いながら言葉にできずにいたことなど、好きに綴って構いません。

自筆に限らず、パソコンなどを使って書いても大丈夫です。ただし、パソコン本体やクラウドサービスなどに保存しておくと、パスワードなどの問題で残された家族に遺書が届かないというケースも考えられます。

同様に、メモ書きも遺書と気付かれずに放置されてしまう可能性があります。できるだけ封筒などに入れてわかりやすい場所に保存しておいたほうが良いでしょう。

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